第二次世界大戦〈1〉 (河出文庫)



第二次世界大戦〈1〉 (河出文庫)
第二次世界大戦〈1〉 (河出文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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在野のチャーチルから見た欧州危機

 この第1巻では主にチャーチルが首相就任以前の時代が描かれている。ドイツ、イタリアへの宥和政策に対する批判は当時から現代に至るまで続いているが、その主な論点は全て本書にカバーされている。在野のチャーチルのイギリス外交への視点は冷厳である。他方、本巻では在野で暇を持て余しているチャーチルの私生活についても垣間見ることができ、チャーチルが軍人出身でありながら文学や絵画をこよなく愛する文化人であることも分かる。チャーチルの人間的な魅力がにじみ出ているこの第1巻は、全4巻の白眉だと私は思う。

 難点は、訳の質の低さ。事実関係はあまり問題なく訳出されているが、肝心のチャーチルの考察があまり上手く訳されていない。原文が難しいのかもしれないが、それにしてもこの訳はあまりにひどい、と思われる箇所が少なくなかった。
翻訳には泣かされる

ノルウェーの戦いを読んでいて、愕然とした。
翻訳の文章が、意味不明なのである。しかも細かい箇所がときどき省略してあるために、ストーリーが流れないのである。

せっかく日本語で読めるのに、これじゃあ意味がない。
遅すぎた帝国主義者、早すぎた反共主義者

 ヒトラー、ルーズベルト、スターリン、蒋介石など、役者の顔ぶれはこの上ない。しかもヒトラーとはすれ違いに終わったが、その他の役者とは実際に会って戦略討議をしているという、20世紀の希有な体験が綴られているのだから、これだけでもおもしろくないはずがない。

 暖房もない爆撃機に乗り込み、戦艦に座乗し、カイロ・テヘラン・ケベック・モスクワ・ワシントンと飛び回る70歳に近い老人のこのエネルギーは信じがたい。またこの救国の大政治家とその戦時内閣を、ベルリンの陥落とともに、対日戦の結果を待たずに罷免する英国の民主主義のしたたかさにも敬意を覚える。

 もっとも瞠目するのは、この著者の叙述の巧みさ、警句箴言の宝庫とも言うべき含蓄深い表現が見られることである。また対日戦にはあまり関心がなかったようであるが、ミッドウエイの劇的な日本の敗因を「言葉の複雑さ」であろうと推察したり、レイテ戦の栗田艦隊謎のUターンについては栗田に同情的で、独特の戦略眼もうかがえる。

 戦後の冷戦体制の芽生えや、近年重要視されている中東事情の萌芽に関する記述も数多く見られるが、そこは一方の当事者の述懐であるので、割り引いて読む必要があろう。中公新書「チャーチル」との併読を勧める。
政治家的思考と軍人的思考

前大戦を当事者が語ったという意味では、英宰相チャーチルと米軍人ウェデマイヤーの回想録が双璧である。米英が戦略上で最も対立したのは欧州における第二戦線をどこにするのかということだった。英国はバルカン半島に上陸し、東欧に進撃する案を主張したが、米国はフランスに上陸し、一挙にドイツを叩くという方針で両者は激突した。そしてスターリンは一貫して米側の支持者だった。米側は英国のバルカン上陸案を「弱腰」だと非難したが、結局チャーチルの深慮を見損なうことになった。チャーチルは、バルカン−東欧ルートを通し、東部戦線での戦果のソ連の独占による東欧の共産化を阻止しようとしたのであるが、ルーズベルトはじめ米側は戦後になって、はじめてチャーチルの戦略的思考の正しさを知ることになった。ほくそえんだのはクレムリンである。立場の違う英政治家と米軍人双方の回想録を読み合わせることによって、前大戦の全貌に対する複眼的な見方ができると思われる。
不朽の名著

第2次世界大戦の連合軍側の責任者の1人による回顧録。ノーベル文学賞を受賞した"第2次世界大戦回顧録"の著者自身による短縮版。20世紀を生きた人間の必読の書。なぜあの戦争が起きたのか,どういう経過で集結したのか,知りたいことは全てここに書いてある。



河出書房新社
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