第二次世界大戦〈2〉 (河出文庫)
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ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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人気ランキング: | 107024 位
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参考価格: | ¥ 945 (消費税込)
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イギリスの不屈
ダンケルク撤収、バトル・オブ・ブリテンといった第二次世界大戦のハイライトが描かれており、読み応え十分。当時のイギリスは明らかに劣勢だったが、チャーチルによれば、チャーチルもイギリス国民も決して絶望しなかったと言う。本書ではドイツによる空爆下のロンドン市民の生活が描かれており、チャーチルの説明を読む限りでは空爆の効果は限定的であったようだ。本書には後知恵で書かれた面があるという点は否定できず、実際に当時のロンドン市民がどのように空爆を捉えていたのかを知るには他の資料にあたるしかない。ただ、結果としてイギリスが屈服しなかったのは事実であり、これが第二次世界大戦のターニング・ポイントとなったのである。
政治家的思考と軍人的思考
前大戦を当事者が語ったという意味では、英宰相チャーチルと米軍人ウェデマイヤーの回想録が双璧である。米英が戦略上で最も対立したのは欧州における第二戦線をどこにするのかということだった。英国はバルカン半島に上陸し、東欧に進撃する案を主張したが、米国はフランスに上陸し、一挙にドイツを叩くという方針で両者は激突した。そしてスターリンは一貫して米側の支持者だった。米側は英国のバルカン上陸案を「弱腰」だと非難したが、結局チャーチルの深慮を見損なうことになった。チャーチルは、バルカン−東欧ルートを通し、東部戦線での戦果のソ連の独占による東欧の共産化を阻止しようとしたのであるが、ルーズベルトはじめ米側は戦後になって、はじめてチャーチルの戦略的思考の正しさを知ることになった。ほくそえんだのはクレムリンである。立場の違う英政治家と米軍人双方の回想録を読み合わせることによって、前大戦の全貌に対する複眼的な見方ができると思われる。
耐えて戦うイギリス
第二巻は、大戦期間中でもイギリスがドイツと単独で戦った時期の記述。自分は、大戦での連合国の勝利は、真珠湾後の米国の参戦によるものと単純化していたが、イギリスの戦い、大西洋での戦い、ギリシア、北アフリカ、イラクなど各地でイギリス軍はドイツに勝利、少なくとも善戦しており、この時期を堪え忍んだことが勝利につながったのだと認識した。また、ところどころでスパイや情報機関の話しに触れられており、情報戦では一貫してイギリスが優位に立っていたのだと推測される。
大西洋に、地中海に・・
イギリス帝国の台所は火の車だ。 アメリカに物資を注文しようにも、外貨準備が底をつく。ウィスキーを売ったり、南アで金を掘ってやりくりする。それでも駄目なので、レンド・リース(武器貸与)を受ける。まあ、借金を無制限にさせてもらうようなものか?せっかくの物資も、大西洋の戦いの洗礼を受ける。Uボートが狼の群になって襲い掛かる。これもアメリカの助けで護衛の目処がつく。 独伊がギリシャに攻めかかる。重要拠点のクレタ島を必死に守るが、撤退。海軍は大損害を受ける。ただし、ドイツ軍も空挺部隊に大損害を受ける。さらにシリア、イラクが危なくなる・・・。 あまりにもたいへんで、手に汗握る。チャーチルは、よく頑張ったなと同情を禁じ得ない。 思わず夢中で読みふけってしまった。
河出書房新社
第二次世界大戦〈3〉 (河出文庫) 第二次世界大戦〈4〉 (河出文庫) 第二次世界大戦〈1〉 (河出文庫) チャーチル自伝 (直読直解アトム英文双書 (74)) チャーチル―イギリス現代史を転換させた一人の政治家 (中公新書)
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